電車の運転席のカーテンはなぜ閉める?前面展望できない理由

鉄道コム にほんブログ村 鉄道ブログへ

※ここでしか読めない鉄道の裏話を公開中。
無料で提供する代わりに、広告を表示させていただいております。

電車の運転席にあるカーテン

せっかく運転席に行ったのにカーテンが閉まっていて「前の景色が見れない…。」「撮影したいのにできない…」そんな経験はありませんか?

今回は少しマニアックですが、元運転士の視点から「運転席のカーテン事情」を解説します。

「意地悪で閉めてるんじゃないの?」と思ったことがある方、ぜひ最後まで読んでみてください。

ファルコ

ファルコ

鉄道会社で駅員・車掌・運転士を経験(運転士歴30年)。
普段何気なく乗っている電車の「なぜ?」を、できるだけ分かりやすく解説しています。
鉄道に詳しくない方でも楽しめる内容を心がけています。

この記事の目次

電車の運転席のカーテンとは?

電車の運転席と客室の間には「背面カーテン」または「遮光幕」と呼ばれるものがあります。

主な目的は運転士の視界を守ることです。

特に夜間やトンネル区間では、客室内の明かりがガラスに反射して前方が見えづらくなります。その影響を防ぐためにカーテンが使われています。

バスやタクシーは車内が暗いため問題になりにくいですが、電車は客室が明るいため、視界への影響が大きいのです。

ちなみに後方の運転席にいる車掌については車内の秩序の維持も業務の一つのため、基本的にカーテンは閉めません。

▶ 運転士と車掌の仕事の違いとは?

運転席カーテンはいつ閉める?時間帯と判断基準

基本的には日没後の暗い時間帯に使用されます。

ただし実際はもっと柔軟で、朝や夕方など薄暗い時間帯や天気が悪く暗い時など、運転士の判断で閉めることが可能です。

そのため、同じ路線や時間帯でも運転士によってカーテンの扱いは変わります。

前面展望などをしていてる最中であっても、暗くなれば途中の駅で閉めることもあります。決して意地悪で閉めているわけではありません。

カーテンに関する運転士の本音

正直なところ、カーテンが閉まっている方が気は楽です。

仕事を常に見られている状態と見られていない状態なら、後者の方が気楽なのは想像しやすいと思います。

カーテンが開いていると、あくびすら気を使い、少し眠そうな様子をしただけでも苦情になる可能性があります。

「見えないから確認をサボるのでは?」という心配もあるかと思います。しかし、運転士にとって指差確認などの安全確認はやらないと気持ち悪いほど習慣化されているので心配はいりません。

夜間の覗き込みが気になる実情

車両によっては、夜間でも小窓から運転席を覗けることがあります。

しかし夜間はガラスの反射によって、覗いている人の顔や動きがはっきり見えます。

これが意外と気になります。

そのため運転士によっては、上着をかけたりして小窓を完全に塞ぐといった対応をすることもあったりします。

夜間やトンネル区間以外でカーテンを閉めるケース

長時間の運転見合わせ

職場との連絡などで携帯電話を使用したり、場合によっては軽い食事を取ることがあり、不要なトラブル防止のために閉めることがあります。

乗務員の体調不良時

乗務員の体調が悪い場合、その様子を見せるのは適切ではありませんし、交代が来るまでの間はカーテンを閉めることがあります。

▶ さまざまある乗務員確認とは?

撮影による影響

長時間の撮影や明らかに乗務員を撮影しているなど運転の妨げになる場合、まずは直接やめていただくようにお願いして、それでも続くようならカーテンを閉めて対応することがあります。

特に女性の乗務員などは撮影し続けられるケースもあるようです。

今後はカスハラやプライバシー保護の観点から、このような対応は増えていくかもしれませんね。

人身事故などの事故発生時

負傷者がいる場合など、野次馬や撮影防止のためにカーテンを閉めることがあります。

その他のケース

これ以外でも、運転士の判断でカーテンを閉めることがあります。ただし理由なく閉めることは基本的にありません。

運転士にお願いしてカーテンを開けてもらうことはできる?

気持ちは理解できるのですが、お願いするのは控えましょう。

カーテンは安全確保のために運転士が判断して閉めているものです。お客さんの要望で開けられるものではありません。

実際に頼まれても、基本的には断られます。

私もお客さんから「前を見たいので開けてくれませんか?」と言われたことがありますが、きちんと理由を言って断りました。

まとめ

運転席のカーテンは、視界の確保やトラブル防止、プライバシー保護など、さまざまな理由で使われています。

決して意地悪で閉めているわけではなく、安全に運転するために必要な対応です。

とはいえ、運転士としては「閉まっている方が気楽」というのが正直なところでもあります。

お互いにちょっとした理解や配慮を持ちながら、気持ちよく利用できる環境であり続けてほしいですね。