
電車の運転士には、絶対にやってはいけない行動があります。
もし違反すれば重大事故につながるだけでなく、最悪の場合はクビになることもあります。
電車は多くの命を預かる仕事であり、そのルールは非常に厳格です。
この記事では元運転士の視点から、絶対に許されないNGな行動と、意外にも認められているOKな行動を解説します。
ファルコ
1970年生まれ。鉄道会社に入社し、駅員(1年)→車掌(3年)→運転士(30年)に従事。鉄道ファンだけでなく普段から電車を利用するすべての方が分かるような記事作りを心掛けています。
1. 安全運行に関わる重大なNG行動
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居眠り運転
走行中の居眠りは、障害物の見落としや駅の誤通過、さらには速度超過による脱線事故を招く恐れがあります。体調管理はもちろん、運転士それぞれが独自の眠気対策を行っています。 - 運転台を離れる・ハンドルから手を離す
走行中に運転席を離れるのは厳禁です。新幹線などで稀に問題になりますが、一瞬の判断の遅れが命取りになります。※指差確認など、運転に必要な動作のために一時的に手を離すのは、安全上必要な行為として認められています。
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免許条件(メガネ等)の不保持
運転免許の条件に「眼鏡等」がある場合、メガネをかけずに運転するのは「無免許運転」と同等の重い違反です。特に普段はメガネをかけない人の付け忘れには注意が必要です。
2. コンプライアンスと規律の遵守
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酒気を帯びた状態での運転
当然ながら飲酒運転は厳禁です。乗務前には必ずアルコール検査が行われます。過去には国鉄時代の名古屋駅や西明石駅で、飲酒が原因の重大な脱線衝突事故も発生しています。 -
眠気を伴う薬の使用
風邪薬や花粉症の薬など、眠気成分が含まれる薬を服用しての運転は厳禁です。※通院時には必ず「鉄道の運転士であること」を医師に申告し、眠気成分のない薬を処方してもらう必要があります。どうしても服用が必要な場合は、事前に上司へ申告し、乗務の可否について許可を得なければなりません。
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携帯電話の操作・イヤホンの使用
私用スマホの操作はニュースでもたびたび問題になります。会社によっては持ち込み自体を禁止している場合もあります。また、運転士は「音」で異常を察知するため、耳を塞ぐイヤホンも絶対にNGです。
3. 実は「OK」とされている行為
ルールが厳しい反面、安全や健康を守るために認められている例外もあります。
- 業務用端末(タブレット等)の使用: 会社から貸与された端末を業務上必要な場面で操作するのはOKです(走行中の操作は不可)。
- 飲み物を飲む: 熱中症対策として認められています。ただし、お客様の心象を考慮し、目立たないように飲むよう指導されることが一般的です。
- サングラスの着用: 眩しさや目の疲れを軽減するため、会社が貸与・推奨しているケースも増えています。
- ガムを噛む: 眠気対策として多くの会社で暗黙の了解となっています。ただし、見た目の印象を損なわないよう、控えめに噛むのがマナーです。
あとがき
電車の運転におけるルールの厳しさが伝わったでしょうか。ルール違反は最悪の場合「免職(クビ)」に直結します。
今はSNSで誰にでも撮影・拡散される時代です。ルールを守ることは乗客を守るだけでなく、自分自身の身を守ることにも繋がっています。
