
鉄道が好きという気持ちは同じはずなのに、なぜ一部の鉄道オタクは現場の鉄道員から煙たがられてしまうのでしょうか。
結論から言うと自分の欲求を満たすことしか考えていないこと、鉄道を支える「人」への敬意が欠けていることが原因だと思います。
今回は元運転士・元車掌・元駅員としての現場経験から、嫌われる鉄道オタクの特徴と実際にあったエピソードを交えてお話しします。
鉄道員のほとんどが鉄道オタクで嫌な経験をしている
私自身の経験はもちろん、周りの社員から聞く話を含めても、鉄道オタクとのトラブルを経験したことがない鉄道員はほとんどいません。
はっきり言ってしまうと、多くの鉄道員は鉄道オタクに対してあまり良い印象を持っていないのが実情です。
悪質な鉄道オタクは、鉄道という乗り物自体は好きなのに、そこで働く人間には敬意を持たない、むしろ敵視しているような印象を受けることがあります。
私自身も、駅員時代には切符に関する誤った知識でマウントを取られたことがあります。
車掌時代には「信号が変わったらすぐベルを鳴らしてください」と一方的に指示されたこともあります。
運転士時代には、黄色い線の上で撮影をしていた方に危険を知らせるため汽笛を鳴らしたところ、中指を立てられたこともありました。
こうした経験の積み重ねが、鉄道オタクへの良くない印象につながっているのです。
私が思う「悪質な鉄道オタク」の特徴
鉄道員を敵視している
鉄道そのものへの愛情はあっても、その安全を支える鉄道員に対しては敵視しているように見えることがあります。
思うように撮影できなかったり、注意を受けたりして腹が立つのかもしれません。
しかし鉄道はすべてのお客様に安全を提供することが第一であり、オタクの欲求を満たすためだけに運行を行っているわけではありません。
自分のことしか考えていない
駅で大声を出す、ホームを全速力で走るといった行動は、自分のことしか考えていない典型例です。
多くの人が利用する公共施設である駅でこうした振る舞いをするのは、率直に言って子供っぽいと感じます。
視野が狭くなり、悪いことをしている自覚がない
SNSが発達した今、自分と似た考えを持つ人同士が集まりやすい環境になっています。
「それはやめた方がいい」と仲間内で注意されることもなく、自覚のないまま悪質な行為がエスカレートしてしまう一因になっているように感じます。
鉄道員が業務中であることを忘れている
発車ベルや汽笛を鳴らしてほしいといった要望をされることがありますが、鉄道員はもちろん業務中です。
特に乗務員は自分のペースを乱されるとミスにつながる恐れもあり、優先順位を考えれば要望に応えることが正解とは言えません。
わからないことを質問されるのは仕方ありませんが、欲求を満たすために不安全な行為につながるようなことはしてほしくないというのが本音です。
子供っぽい人が多い
長年鉄道員をしていて感じるのは、悪質なオタクほど子供っぽい人が多いということです。
普通の大人であれば、ホームを全速力で走ったり、鉄道員に刃向かうような態度を取ることは恥ずかしくてできないはずです。
その「普通ならやらないこと」をやってしまうところに問題があります。
現場で実際に嫌がられている行為
カメラを構えながら電車に手を振る行為
運転士同士で嫌だと感じる行為としてよく挙がるのがこれです。
撮影をするか手を振るか、どちらかにしてほしいというのが本音で、両方を同時に求めるのは欲張りすぎだと感じます。
カメラに目線をやりながら手を振ってくる人に対して、運転士が手を振り返したり汽笛を鳴らしたいと思えるでしょうか。
長時間の撮影
運転士は撮影されることが多々ありますが、それが長時間に及ぶとさすがにストレスを感じます。
できるだけ短時間にしていただけるとありがたいというのが本音です。
しつこい行為
駅に到着するたびに発車メロディを録音したり、電車の前面を撮影したりする方がいます。
回数が多くなると、これもストレスの原因になります。
注意を聞かない
鉄道員の仕事において最優先されるのは安全です。
安全のために注意をしても聞き入れない方がいますが、こうした行為は現場として最も許容できないものです。
悪質な鉄道オタクばかりが目立ってしまう現状
私自身も含め、目立つ悪質なオタクとの嫌な経験をしている鉄道員が多いのが実情です。
一方で良質なオタクの方は目立たず鉄道員との接点も少ないため、なかなか良いイメージにつながりにくいという現状があります。
まとめ
今回はあえて、普段は言えない鉄道員の本音として書かせていただきました。
鉄道オタクという言葉を聞くと、どうしても嫌な経験が思い出されてしまうのが正直なところです。
特に一般のお客様にまで迷惑をかけてしまうと、世間からの風当たりも強くなります。
欲求を満たすためだけの自分勝手な行為は控え、鉄道員はあくまで仕事中であるという認識を持った上で趣味を楽しんでいただきたいと思います。
鉄道員の中にも当たりが強い社員がいるのは事実ですが、鉄道という共通の接点を持つ者同士、お互いに良好な関係を築いていけることを願っています。
