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電車の運転士の指差確認の意味:効果と歴史を徹底的に解説

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電車の運転士の指差確認

電車を利用していると運転士や車掌、駅員が指差確認をしているのはよく見る光景ですよね。

しかし、その指差確認はどのようにして始まったのか、どのような効果があるか、なにを確認しているのか気になりませんか?

今回はその指差確認について深堀りしていきます。


ファルコ

1970年生まれ。鉄道会社に入社し、駅員(1年)→車掌(3年)→運転士(30年)に従事。鉄道ファンだけでなく普段から電車を利用するすべての方が分かるような記事作りを心掛けています。

指差確認とは?

鉄道の現場だけでなく、工事現場や工場などで事故のリスクを減らすためにおこなわれている動作のことです。

電車の運転士は声を出して指差をおこなう指差喚呼 しさ かんこを実行しています。

このことを会社によっては指差称呼 しさ しょうこと表現しているところもあります。

この記事では以下、指差喚呼と表記してますのでご了承ください。

指差喚呼は鉄道から始まった

声だけの信号喚呼は鉄道創業時の頃からおこなわれていました。

その後、昭和初期に電車の運転士が自発的に指差を取り入れ、指差喚呼が全国の鉄道会社へと広まっていったと言われています。

そして現在、指差喚呼は鉄道業界だけでなく、航空業、建設業、製造業など、広く活用されるようになったのです。

指差喚呼の意味と効果

指差喚呼は指で対象物をさすことで意識が向き、声を出し、自分の声を自分の耳で聞くことでミスを減らす効果があります。

実際に公益財団法人の研究では指差喚呼をしなかった時にボタンの押し間違えが2.38%発生したのに対し、指差喚呼をした場合は0.38%と約1/6にミスが減少することがわかっています。

しかし、何よりも指差喚呼は意識を込めておこなうことが重要です。

無意識だといくら指差喚呼をしても効果を発揮できないのです。

電車の運転士が指差喚呼で確認するものは?

信号機

出発信号機

3番出発 進行

信号機は電車の運転士が確認するものの中で一番重要と言っても過言ではありません。

信号機を見誤ると最悪、列車衝突など大きな事故が起こる可能性があります。

それ故に運転士の技能試験では信号機の喚呼の言い間違えをすると問答無用で不合格となります。

制限速度

制限速度標識

制限80

制限速度も間違ってしまうとJR西日本のような脱線事故が起こる可能性があります。

時間

鉄道懐中時計

新宿 定時

発車時刻や到着時刻、通過時刻の確認のため、時刻表と時計を指差喚呼します。

時刻の見間違えは直接お客さんに迷惑をかけることになるため、確実に確認をおこないます。

パイロットランプ

パイロットランプ

点灯 発車

運転台にあるパイロットランプはドアが開くと消灯し、電車のドアが全て閉じると点灯します。

きちんと確認しないとドアを開けず、お客さんを乗せないで駅を発車してしまう恐れもあります。

計器類、表示灯類

電車計器類

高圧1500V 良し

出区点検で計器類を確認するときや運転中に保安装置の表示灯などを指差喚呼します。

計器類、表示灯類は電車の状態を知るために重要なツールです。

私は電車の乗務員の指差喚呼に憧れた

私が中学生くらいの頃でしょうか、電車の運転士や車掌って格好良い仕事だなと思うようになりました。

格好良いと思ったのは制服と指差喚呼している姿です。

自分もあんな格好良い仕事に就けたらいいなと思い、鉄道会社を目指すようになりました。

今でも思うのは指差喚呼をお客さんの前でする仕事って鉄道以外だとなかなかないし、特殊な気がします。

その後、自分が実際に乗務員になって当たり前に指差喚呼をするようになり、たまに昔憧れてた自分を思い出すと不思議な気持ちになったりしましたね。

あとがき

今回は指差喚呼の歴史や効果、実際にどのようなものを電車の運転士が指差喚呼で確認しているのかをお話ししました。

鉄道創業当時から引き継がれてきた指差確認、指差喚呼は鉄道にとっては非常に大きな存在だということがお分かりいただけたと思います。

私も実際に指差喚呼をしていたことでハッと未然に気づくことがたくさんありました。

目には見えませんが、これまで指差喚呼によってたくさんのミスや事故が未然に防がれてきたのではないでしょうか。