
電車が遅れる原因『異音の確認』って何?元運転士が現場の対応を解説
電車に乗っていると、
「異音の確認の影響で電車に遅れが出ています」
とアナウンスされることがありますよね。
でも実際、
- 異音の確認って何をしているの?
- なぜ電車を止める必要があるの?
- 運転士はどんな対応をしているの?
そんな疑問を持ったことはありませんか?
この記事では元鉄道運転士の経験をもとに、異音確認の正体と現場での対応をわかりやすく解説します。
ファルコ
1970年生まれ。鉄道会社に入社し、駅員(1年)→車掌(3年)→運転士(30年)に従事。鉄道ファンだけでなく普段から電車を利用するすべての方が分かるような記事作りを心掛けています。
この記事の目次
1. 電車が遅れる原因「異音の確認」とは?
多くの場合、運転中に 「何かにぶつかったような音」や「踏みつける音」が聞こえたときに電車を停車させます。
運転士は異音にすぐに気づき電車を止められるよう、定期的に訓練をしたり聴力チェックも行っています。
2. 異音の原因は?
よくある原因は、動物との衝突(タヌキやネコなど)や置き石です。
置き石は 往来危険罪にあたり、重い刑事責任が発生します。
風の強い日には、傘や枝、プラスチック片なども飛んでくるため、異音の確認が起こりやすくなります。
3. 運転士の異音確認時の対応
異音が聞こえたら、運転士はまず非常ブレーキで電車を停止。
さらに、防護無線で周囲の電車も安全のため停止させます。
原因の特定には、線路に降りて数百メートル歩きながら点検。車輪やエア漏れの確認も行います。
4. 「異音の確認で20分遅れ」の本当の意味とは?

「異音の確認の影響で20分ほどの遅れを見込んでいます」という案内を見たことはありませんか?
この “20分”という数字には、しっかりとした理由があります。
運転士が異音を感知すると、電車を停止させた後に線路へ降り、現場・線路・車両の確認を行います。
その一連の作業にかかるおおよその時間が20分程度であり、利用者に早く伝えるために「20分ほどの遅れが見込まれる」と案内しているのです。
ただし、あくまで目安であるため、
- 足場が悪い場所
- 異音の原因が特定できない場合
- 線路や車両に異常が発見された場合
などは確認に時間がかかり、 30分以上の遅れに拡大することもあります。
つまりこの「20分ほど」というのは、過去の対応実績や経験に基づいた目安時間なのです。
5. なぜ電車を止めるのか?
運転士が異音を確認した際に電車を止める最大の理由は、やはり安全のためです。
異音の原因が人や動物との衝突、線路の破損、置き石などさまざまで、何が起きているか音だけではわかりません。
そのため運転士は、たとえお客さんに迷惑をかけたり運行に遅れが出たりしても、最悪の事態を想定して行動します。
過去には異音の確認で停車して現場を調べたら人身事故だった、というケースもあり、安全を優先する判断の重要性がわかります。
このように、運転士の判断は常に「安全第一」であり、異音を軽視することがないように訓練されています。
6. あとがき
今回の記事では、電車が遅れる原因の一つである「異音の確認」について詳しく解説しました。
運転士も本当は電車を止めたいわけではありませんが、安全を守るために確認を行っているのです。
異音の原因や運転士の対応を知ることで、遅延時のイライラも少しは和らぐかもしれません。
