今回は鉄道会社に就職したい方に向けた記事です。
鉄道会社がどういう人を求めてるのか、どういう人が鉄道員に向いているのか、入社試験の内容など私の経験や考察を交えて書いていますのでぜひ参考にしてみてください。
ファルコ
1970年生まれ。鉄道会社に入社し、駅員(1年)→車掌(3年)→運転士(30年)に従事。鉄道ファンだけでなく普段から電車を利用するすべての方が分かるような記事作りを心掛けています。
鉄道会社への就職難易度
まず、鉄道会社に入社するには新卒で入社する方法と他の企業からの転職で入社する方法があります。
2000年頃までは高卒や専門卒が主流だったのですが、近年は大学卒が中心になっています。
転職による入社も以前は珍しいことでしたが、現在は急激に増えています。
ただ、採用の人数についてはコロナ渦で経営が厳しくなった鉄道会社も多く、減らしているのが現状です。
売り手市場と言われる時代ではありますが、鉄道会社は安定性のあるイメージでいまだに根強い人気があるのに加えて、次の記事でも書いていますが、鉄道会社が求める人物像のレベルも年々上がっています。
総合的に考えると、以前と比べて鉄道会社への就職難易度はかなり上がっているのではないのかなと感じます。
鉄道会社の採用の大卒の割合が増えた理由
これまでは鉄道会社というと鉄道で稼ぐというのが当たり前でしたが、コロナ渦の経験や今後の人口減少などから鉄道以外で稼がなくては生き残っていけない状況になりました。
ですので鉄道会社は鉄道を動かすだけでなく、さまざまな稼ぐ方法を一緒に創っていけるような社員がほしいのです。
このためにはやはり高卒より幅広い勉強や経験を積んでる大卒の方を選びたいでしょう。
転職での入社の割合が増えているのも同じ理由です。
他の企業で学んだスキルやノウハウで鉄道会社にはない新しい色を取り入れたいという本音があるのです。
鉄道会社が求める人物像
一昔前なら運転士になって地域に貢献したいだとかそういうシンプルな理由でもよかったと思いますが、今は状況が違います。
野望というか、鉄道会社の現状を打破するような目標を持った社員を求めているように思います。
例えば、鉄道だけでなくバスやタクシーなどと連携するMaaS(マース)、自治体との連携、不動産事業の拡大など、鉄道会社が今行おうとしている旬な取り組みなどに自分がどのように貢献したいかを小論文や面接で伝えるとすごく有利になるのではないかと思います。
旬な取り組みを知るためにも各鉄道会社の経営計画はしっかり見ておく必要があります。
以前のようにシンプルな理由だけでは通用しなくなったので、ただ単に運転士、車掌になりたいという思いだけで鉄道会社に入るのは難しいです。
鉄道会社の入社試験の内容
鉄道会社にもよりますが、以下のような試験が行われていることが多いようです。
SPI
国語や数学、性格診断などが含まれます。
SPIに関しては参考書などもたくさんでているので勉強はしやすいと思います。
性格診断では直感で答えるような問題が多く、私の記憶では間違い探しのようなものもありました。
一般教養
国語や数学、社会などに加え、時事問題なども出題されます。
ニュースをしっかり見ておくとわかる問題もあると思います。
小論文
一つのテーマに対して自分なりの考察、どう行動していくかなどを書くものが多いかと思います。
上でも書きましたが、会社の経営計画などを熟読して今の旬な取り組みに対しての思いを書くと評価は高いでしょう。
内田クレペリン検査
鉄道会社はこの検査を行っていることがほとんどです。
繰り返し30分ほど簡単な足し算を解き続ける検査で単調な作業をミスなくどのくらいの仕事量で続けられるかがわかります。
乗務員などは繰り返し同じ作業が多いですし、鉄道会社らしい検査ですね。
医学適性検査
目や耳の検査をはじめ、色覚の検査があります。
目は基本的に矯正して1.0程度が必要かと思います。
色覚に関しては正常でなければ入社試験は通らないです。
信号や合図など色を間違えると大きな事故に繋がってしまうからです。
ネットでも色覚検査はできるので自分が色覚が正常か調べておきましょう。
まとめ
鉄道会社は時代の流れと共に刻々と採用事情も変わってきたように感じます。
さまざまなことに力を入れ始めた鉄道会社で鉄道以外のことにも取り組んでみたいという方にはぴったりだと思います。
逆に駅員や車掌、運転士になりたいという思いだけで希望する方には非常に厳しい時代になりました。
ただ、駅員や乗務員も現実的にすぐに自動化、無人化が難しいことも確かです。
とりあえず入社試験を突破できたら駅員、乗務員などを経験してからその後のことを考えても遅くないと思います。
今回の記事が少しでも参考になったら嬉しいです。