「始発電車や終電を運転している運転士はどうやって出勤しているの?」そんな疑問をよく聞きます。
今回はそんな電車の運転士の勤務形態や仕事の1日の流れ、休憩や仮眠についてなど細かくお話ししていきます。
ファルコ
1970年生まれ。鉄道会社に入社し、駅員(1年)→車掌(3年)→運転士(30年)に従事。鉄道ファンだけでなく普段から電車を利用するすべての方が分かるような記事作りを心掛けています。
電車の運転士の勤務形態は?
電車の運転士の仕事は日勤の仕事もまれにありますが、基本的には泊まり勤務です。
私の会社の場合は泊まり勤務が月に8回、日勤が4日ほどでした。
泊まり勤務は1回で2日分なので月に20日仕事、休みが10日程度となります。
勤務の流れとしては泊まり→夜勤明け→泊まり→夜勤明け→休み→休みの6日間サイクルが基本でした。
カレンダーは関係なく有給を使わない限り、長期休みはありません。
GWなどはどこも混むので休まなくても構わないのですが、年末年始はゆっくりしたいという思いは毎年ありましたね。
電車の運転士の拘束時間
泊まり勤務に関しては、仮眠を含めて24時間を越えるような勤務もあります。
こんなに長くて労働基準法的には大丈夫なのでしょうか?
実は電車の運転士は変形労働時間制というものが適用されていて、週平均で労働時間が40時間までに収まっていれば大丈夫、ということになっています。
泊まり勤務は不規則で大変なところもありますが、朝の通勤時間帯に通勤することが少なかったり、夜勤明けの日には朝、昼からフリーになるので体感的には自分の時間が多く感じます。
電車の運転士のスケジュール
始発時間帯の電車を運転する場合の例
日を跨ぐので2日分のスケジュールになります。
始発時間帯を運転する仕事の場合、仮眠の時間が早くなるので夜型の人はすぐ寝付けず大変という人もいます。
ただ、夜勤明けは早く仕事が終わるのでそれがメリットです。
終電時間帯の電車を運転する場合の例
夜更かしする方が多いのでこちらの勤務の方が現代の人には合ってるかもしれませんね。
起床時刻が遅い分、仕事が終わる時間は昼頃と遅くなってしまいます。
電車の運転士の休憩時間
休憩は乗務と乗務の合間で30分だったり2時間だったりとバラバラです。
勤務は電車のダイヤの都合で作られているので、ご飯を食べる時間が中途半端だったりすることは多々あります。
また、大幅に電車が遅れた時は休憩時間がなくなってご飯が食べられなくなったりもするのでそこは乗務員のつらいところです。
電車の運転士の仮眠時間
仮眠時間は日によって違います。
大体4時間から長くて6時間ほどです。
その間にお風呂入ったり、準備しなくてはならないので寝付きが悪い人は寝る時間が少なくなり大変です。
女性の電車の運転士も最近は増えていますよね。
化粧だったり男より準備に時間がかかると思うので、寝る時間が少なく本当に大変だと思います。
あとがき
今回は電車の運転士の勤務形態、1日の流れ、休憩や仮眠などについてお話ししました。
電車の運転士が特殊な勤務形態だというのが、お分かりいただけたと思います。
ですが、私はサラリーマンのように9時~17時半に毎日働く方がしんどいのでは?と思ってしまいます。
17時半に仕事終わって帰宅、次の日が9時出勤なんて自分の時間が全くないように思えてしまうのです。
電車の運転士の勤務も特殊ではありますが慣れてしまうとメリットもあり、泊まり勤務の方がいいと言う人も多くいます。
まあ、生活リズムは乱れるので体には良くないかもしれませんが笑
電車の運転士を目指す方の参考になりましたら嬉しいです。