元電車運転士の私ですが電車でGO!は発売した当初からファンでよくプレイしてました。
今回は電車運転シミュレーションゲームの最新作、電車でGO!!はしろう山手線について本物の元電車運転士が実物と違うところ、リアルで驚いたところなどを徹底的にレビューしてみました。
ファルコ
1970年生まれ。鉄道会社に入社し、駅員(1年)→車掌(3年)→運転士(30年)に従事。鉄道ファンだけでなく普段から電車を利用するすべての方が分かるような記事作りを心掛けています。
電車でGO!とは?
電車でGO!は1997年にゲームセンターに登場した電車運転シミュレーションゲーム。
当初の人気は相当なもので、ニュースでも取り上げられたり社会現象となりました。
私も初代電車でGO!からプレイしていましたが、特にプレイステーションの電車でGO!プロフェッショナル仕様は路線や車種も多く、かなりのめり込みました。
そして、最近の電車でGO!!は電車の運転士がさまざまなところに気を配っている大変さが再現されており、かなりリアルだなと感心しています。
電車でGO!!と実物の電車の運転の違い
かなりリアルにつくられている最近の電車でGO!!ですが、それでも本物の電車を運転していたこともあり、実物と違うところには目がいってしまいます。
中継信号機の喚呼がない
電車でGO!!はしろう山手線には隠し路線で埼京線や上野東京ラインが収録されているのですが、ATS路線なので信号機があります。
しかし、中継信号機だけはなぜか喚呼されていません。
信号喚呼位置標で喚呼していない
電車の運転士は信号喚呼位置標があるところで信号を指差喚呼します。
そうしないと信号までに速度が落とせない危険があるので、信号喚呼位置標を過ぎたところで喚呼している電車でGO!!では危ない!と感じます。
ノッチを動かした時のタイムラグが少ない
実物ではマスコンを力行に入れた時、惰行にしたとき、ブレーキをかけた時などにけっこうタイムラグがあります。
電車でGO!!ではこのタイムラグが少ないように感じます。
電車の最後部を意識しなくて良い
実物の場合、制限解除は両数に応じて最後部が抜けたかを意識しながら運転しなくてはなりません。
電車でGO!!では電車の後ろを意識しなくていいのでここは実物と根本的に違うところだと思います。
加速度が違う
加速が実物よりもだいぶ速いです。
実物だと発車してから30秒ほどで約60km/hですが、電車でGO!!では20秒ほどで約60km/hまで達してしまいます。
MR圧の減りが少ない
MR圧とは元空気ダメの圧力。実物はブレーキ中だけでなく惰行中でも空気バネで空気を使うため、少しずつ減少していきます。
電車でGO!!では全く減ってないように見えます。ただ、空気が減ったあと、コンプレッサーが動作し空気が溜まる様子はリアルです。
電車でGO!!が実物を忠実に再現しているところ
あらゆるものの動きがリアル
初期の電車でGO!では景色に動きがなくゴーストタウンと化していましたが、最新作の電車でGO!!では自動車や人、飛行機や鳥などあらゆるものが動いていて感動します。
電車でGO!初代からやってるからこそ思うところですね。
BC圧の動きがリアル
BCはブレーキシリンダの略。
ブレーキをかけるとBC圧の針が動くのですが、ブレーキのかけ始めと低速時以外はBC圧が減るところとか妙にリアルです。
ちなみにBC圧が減る理由は回生ブレーキにより、ブレーキ力を補うからです。
運転台で流れるボイスがリアル
運転士への支援ボイス、「次は停車、次は停車」「エアセクションです」「徐行区間です」などのボイスが入っていることがリアルで驚きました。
ここまで再現する必要ある?と思うくらいです笑
ブレーキ込め直しなしの判定がある
ブレーキ込め直しとは駅に入った後、かけ始め以外でブレーキを増すこと。
この込め直しをしないで運転することは本物の運転士も常に意識していることです。
具体的には3ノッチ→6ノッチ→5ノッチ→3ノッチ→1ノッチのようにブレーキを扱うこと。
運転の忙しさがリアル
最近の電車でGO!!で再現されている速度計の指差確認、前灯の減光など、実物の忙しさがリアルに再現されているなと感じます。
減光は夜間におこないますが、本物でもけっこう失念することがありました笑
あとがき
今回は本物の運転士が電車でGO!!はしろう山手線について実物と違うところ、リアルで驚いたところをレビューしました。
ゲーム性を保ちながら、きちんと実物を再現しているところが最近の電車でGO!!はすごいと思います。
そして初代電車でGO!からやっていた身としてはグラフィックの進化にも驚きです。
ぜひ、皆さんも専用コントローラーで電車の運転士になりきってプレイしてみてください!