電車に乗っていると「後続列車遅れのため、間隔調整をおこないます」という案内放送を聞くことがあります。
後ろの電車で関係ないのに何でこの電車まで止めるの?と思いますよね。
特にお客さんの多い路線でおこなわれるこの対応ですが、今回はこの電車の間隔調整についてお話しします。
ファルコ
1970年生まれ。鉄道会社に入社し、駅員(1年)→車掌(3年)→運転士(30年)に従事。鉄道ファンだけでなく普段から電車を利用するすべての方が分かるような記事作りを心掛けています。
電車が間隔調整をおこなう理由
間隔調整は遅れている列車にお客さんが集中し、さらに遅れが増えないようにするための措置です。
実際、通勤時間帯は電車が1分遅れると混雑率が目に見えて変わるので効果は大きいです。
さらに、遅れが増えると必然的にホームで待ってるお客さんの待ち時間も増えます。
お客さんの待ち時間をできるだけ均等化するという意味でも間隔調整は必要なのです。
電車が間隔調整をおこなわないとどうなる?
私が運転士をしていたときの体験談です。
運転していた電車が10分ほど遅れていたのですが、前の電車が間隔調整をおこなわずそのまま行ってしまったことがありました。
その後、私の電車はドアが全然閉まらないほど混雑し、10分遅れだったのが30分の遅れに増えたという経験をしたことがあります。
この電車に乗ってるお客さんからすれば間隔調整で前の電車を止めてもらった方が混雑率も下がり、遅れも減るので結果的には助かると思います。
電車の間隔調整は実際どのようにおこなわれる?
遅れた電車があれば、指令所がその前の電車に対して指定した時間停車するように指示します。
イメージとしては10分遅れた電車があったら、1本前の電車を5分止める、2本前の電車を2分半止める、3本前の電車を1分止める、というような感じでできるだけ間隔を均等化させるように調整をします。
電車の間隔調整の遅れをお客さん目線で考える
後続電車の遅れにより止められる電車側のお客さん
前の電車が止まっているならある程度はあきらめがつきますが、後ろの電車が遅れている影響で自分の乗ってる電車が遅れたら納得できないしとてもイライラすると思います。
後続電車に乗車しているお客さん
後続電車に乗車しているお客さんは、前の電車が間隔調整で止められているのは知らずに乗っています。
しかし、間隔調整をしているので混雑率は低くなっており、遅れも増えづらいので結果的には恩恵を受けていることになります。
あとがき
後続電車の遅れによる間隔調整について細かくお話ししました。
間隔調整される側の電車に乗ってるお客さんからすれば迷惑でイライラすると思います。
しかし、間隔調整をすることで恩恵を受けているお客さんもいるのでお互い様みたいなところはあるのかなと感じます。
そもそもの電車の遅れがなくなるのが一番いいのですが、朝の通勤時間帯は荷物挟まりや急病人など多く発生するので遅れをなくすことは難しいでしょうね。