線路内人立ち入りの原因：運転再開までの時間はケースによる

線路内人立ち入り

電車の遅れの原因でよくある線路内人立ち入りについて今回はお話しします。

どのような人が立ち入るのか、運転再開まで時間がかかるケース、かからないケースも具体例を挙げて紹介していきます。

ファルコ

1970年生まれ。鉄道会社に入社し、駅員(1年)→車掌(3年)→運転士(30年)に従事。鉄道ファンだけでなく普段から電車を利用するすべての方が分かるような記事作りを心掛けています。

線路内人立ち入りとは？

線路内人立ち入りといってもいろいろです。

人立ち入りで一番多い原因が踏切での無理な横断で通勤時間帯によく発生します。

そのほか、カメラマンの線路内での撮影、酔っぱらいが線路に入ったり、痴漢をした人が線路に逃げたり、落とし物を自分で取ろうと線路に降りる人などがいます。

あとは年寄りの方が踏切で渡りきれずに踏切内で立ち止まってしまったり、線路とわからずに入ってきてしまったりすることもあります。

また、痴漢が発生した場合の隠語が人立ち入りだという情報がネットで出まわってますが、まったくのガセです。

人が線路内に入っても線路の外に出たことを運転士や車掌が見てた場合にはすぐに運転再開できます。

また、周りで目撃者がいた場合にも線路の外に人が出たことを見ていれば、付近の線路内の確認したのちに運転再開できます。

立ち入った人を見失ったときはまだ線路内に人がいる可能性も考え、徐行運転で付近を走行し、人が居なければ普通の速度で運転再開します。

人を見失う理由としては電車は急に止まれないので人が居るところを通り過ぎてしまいます。

人が線路の外に出たとしても確認できないことが多いのです。

立ち入った人が線路内を逃げているような場合は保護しなくてはいけません。

保護するのには危険が生じるので他の係員を呼んだり、警察などと協力しておこなうので運転再開まで時間がかかります。

踏切の非常ボタン

踏切内での人立ち入りの時、周りの人が踏切の非常ボタンを押すことがあります。

しかし、非常ボタンは遠隔では復帰できません。

運転士が踏切近くまで徐行で運転してきて線路に降り、非常ボタンの復帰をしなくてはなりません。

人立ち入りで止まった場所がエアセクションの場合、一旦パンタグラフを下げ、エアセクションにかかってないパンタグラフだけを上げて少し移動させます。

その後、パンタグラフをすべて上げて運転再開という流れです。

エアセクションについての記事はこちらをお読みください。

今回は線路内人立ち入りについて詳しくお話ししました。

同じ人立ち入りでもいろいろなケースがあり、運転再開までの時間も違うことがおわかりいただけたと思います。

線路内人立ち入りは電車の遅れにも繋がり、影響が大きいです。

そして、鉄道営業法違反となり犯罪行為です。

カメラマンの線路内立ち入りも横行しているので鉄道会社も高額な賠償金を請求するなどもっと強気にいってもいいのではないかなと思います。