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JR東日本では社員数が半分に!?鉄道会社の効率化の実態と今後

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鉄道会社の効率化

今回は鉄道会社が進めてきた効率化についてお話ししていきます。

鉄道会社では過去にさまざまな技術革新をしながら、結果コスト削減や人件費の削減をおこなってきました。

現実に鉄道会社の社員は年々減っていますし、今後も減っていくものと考えられます。

どのような技術、サービスで鉄道会社が効率化してきたのか、今後どうなっていくかの予想も含めて紹介していきます。


ファルコ

1970年生まれ。鉄道会社に入社し、駅員(1年)→車掌(3年)→運転士(30年)に従事。鉄道ファンだけでなく普段から電車を利用するすべての方が分かるような記事作りを心掛けています。

鉄道会社の効率化の目的

鉄道会社は人件費やメンテナンス費など、固定費が他の業種と比べて大きな割合を占めています。

そのため、利益が減ると一気に赤字に転落するおそれがあり、実際にコロナ禍ではほとんどの鉄道会社が赤字になりました。

リモートワークの浸透、今後、人口減少していく中で鉄道会社が生き残っていくためには固定費の削減など、効率化が必須なのです。

JR東日本では社員数が約半分に

鉄道会社で一番社員数の多いJR東日本では1987年の発足当時で約82000人だった社員数が、2023年度末では約46000人と約半数まで減少しています。

自動改札機の導入など、さまざまな設備投資をすることで人件費を削減し、長期にわたるコスト削減に成功しています。

しかし、鉄道会社では今後も人口減少などで利用客の減少が見込まれているので、鉄道会社の効率化は今後も継続的におこなわれていくでしょう。

鉄道会社の効率化のために導入されているもの

自動改札機

自動改札機

1970年代から徐々に導入され、90年代に全国に広がっていきました。

自動改札機が導入されるまでは有人で改札をおこなっており、かなりの人件費がかかっていたことは容易に想像できます。

ちなみに、自動改札機は1台700万円から高性能のものだと2000万円ほどするそうです。

自動券売機

自動券売機

現在は普通乗車券だけでなく、定期券、指定席特急券なども発券できるようになりました。

みどりの窓口の削減など有人での発売が減り、人員の削減へ貢献しています。

券売機は1台500万円から高性能のもので2000万円ほどするそうです。

チケットレス

JR東日本ではえきねっと、JR東海ではスマートEXなど切符のレス化が進んでいます。

JR東日本によると、チケットレスでの利用率は約8割ほどとなっているそうです。

さらにチケットレス化が進めば、自動改札機、自動券売機、みどりの窓口などの固定費が削減されていくことになるでしょう。

ホームの車掌用モニター

車掌用モニター

車掌がドアを閉める時、長い両数の路線では車掌の目視では閉めることができません。

そのため、車掌用モニターとカメラによりホーム全体が見られるようになっています。

車掌用モニターが導入されるまでは駅員がホームに立って車掌に合図を送っていましたが、現在はカーブのきつい駅や、人の多い駅のみになりました。

スマートメンテナンス

線路モニタリング 【引用:JR東日本公式ホームページ】

山手線のE235系には架線設備と線路設備の状況をリアルタイムに点検するシステムが搭載されています。

これにより、本当にメンテナンスが必要なときにメンテナンスをすることが可能になり、必要な要員を減らすことができます。

無線式列車制御システム

列車無線アンテナ

CBTCやATACSと呼ばれるもので、現在はJR埼京線などに利用されています。

列車の位置を無線で把握することで、軌道回路という鉄道にとって大きなコストがかかる装置をなくすことができる画期的なシステムです。

海外では以前より普及しているシステムですが、安全性を重視する日本では導入が遅れていました。

業務委託

多くの鉄道会社では駅業務などを委託化しています。

JR東日本の子会社で、駅業務を委託されているJR東日本ステーションサービスでは委託駅数が330駅以上にものぼります。

また、グリーン車では現在、アテンダントが乗車していますが、以前は本体の車掌が乗車してました。

子会社の給料は本体より低いので、業務委託化により人件費を削減することができます。

業務の兼務

鉄道会社では生産性向上のため、業務の兼務化を進めています。

兼務は運転士が運転士だけでなく、車掌や駅員、本社勤務などを兼務しながら業務をすることです。

コスト削減という考え方というよりは、社員一人当たりが稼ぐ金額を増やすという考え方になります。

ワンマン運転

ワンマン運転

ワンマン運転とは車掌を乗せず、運転士だけで電車を動かすことです。

すべてワンマン運転化すれば、単純計算で乗務員の人件費は半減することになります。

ただし、運転士の負担が増えることで安全性が低下すると個人的には思っています。

ドライバレス運転

最近ではJR九州の香椎線で運転士に代わって、自動運転乗務員が乗務するようになりました。

普段の運転はATOなどのコンピューターがおこない、危ない時にだけ止めるのが自動運転乗務員です。

運転士のような知識と技術が必要ないので養成する期間もコストも少なく済みます。

踏切などがあり無人化が難しいところではこのような自動運転乗務員が乗務する路線が増えていくでしょう。

あとがき

鉄道会社がさまざまな設備を開発、導入することで効率化を進めてきたことがおわかりいただけたと思います。

私が想像する鉄道の未来は完全にチケットレス化し、紙の切符がなくなることです。

それが実現すると効率化のために導入されてきた自動改札機や自動券売機でさえなくなってしまう可能性があります。

運転関係ではすべての路線でJR九州の香椎線のような自動運転になり、運転士ではなく自動運転乗務員が乗務するようになると私は予想します。

実際にJR東日本では山手線と京浜東北線で2030年頃までにATOとATACSの導入が検討されており、それを機に自動運転乗務員の乗務になることもありえます。

無人運転については、線路内や踏切ではいつ人や車が入ってくるかわからないので現実的に導入は難しいのではないでしょうか。

いずれにせよ、電車の運転士という職業、職人技が将来的にはなくなってしまうと思うと寂しいですね。