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電車の運転士のノッチ扱い術: 臨機応変な刻み方

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電車の運転ノッチの扱い方の種類

電車の運転士が運転するときに操作するマスコン、ブレーキの段数の単位であるノッチという言葉。

実はこのノッチにはさまざまな扱い方があります。

今回はそんなノッチの扱い方の種類と解説を元電車運転士がしていきます。


ファルコ

1970年生まれ。鉄道会社に入社し、駅員(1年)→車掌(3年)→運転士(30年)に従事。鉄道ファンだけでなく普段から電車を利用するすべての方が分かるような記事作りを心掛けています。

ノッチの段数は?

マスコン

ノッチとは電車の加速(力行)で使うマスコンとブレーキの段数の単位です。

力行は1ノッチ~5ノッチの5段階、ブレーキは1ノッチ~8ノッチの8段階、これとは別に非常ブレーキがあります。

最近は電車でGO!やトレインシミュレーターなどで操作方法を知っている方も多いですよね。

基本的に力行は5ノッチでおこない、ブレーキは1~8ノッチの常用ブレーキを扱います。非常時のみ非常ブレーキを扱います。

ちなみに上の画像のハンドルは切位置の上に抑速があり、ブレーキは7ノッチまでしかない特急列車仕様のものになります。

電車の運転士がおこなうノッチの扱い方の種類

電車の運転士は必要に応じてノッチの扱い方を変えたりします。

今回はゲームではしないであろう、電車の運転士ならではのノッチ扱いについて紹介します。

流しノッチ

マスコンハンドル

1ノッチで3m力行し、5m惰行します。

これは始発駅からの発車時や連結、解放後におこないます。

ブレーキがきちんと緩んでいるか、後ろから引っ張られる感覚はないかを確認しています。

刻みノッチ

雨などで空転するとき、最初から5ノッチで力行せず、1ノッチ→2ノッチ→3ノッチ→4ノッチ→5ノッチなどのように刻みながら加速していくことです。

加速度を下げることで空転を防ぎ、乗り心地も向上します。

戻しノッチ

特に上り坂などで速度を一定に保ちたいときにおこないます。

坂の傾斜に応じて力行2ノッチ、3ノッチなどを使い分けます。

力行中に一旦切位置にしないと戻しノッチができない車両も多いです。

断続1ノッチ

車庫などの車止め付近で低速で運転する場合、力行1ノッチと切位置を交互に操作し速度を調整します。

2ノッチ以上で加速することが危ない時に使います。

低ノッチ発車

発車時にポイントの制限などがあるとき、力行2ノッチや3ノッチで発車させたりします。

これは普段と違うノッチ扱いをすることで制限に対する意識を高め、速度オーバーを防ぐ効果があります。

定速

力行5ノッチにして定速/抑速ボタンを押すと速度を一定に走行してくれます。

車でいうオートクルーズのようなもので、速度が落ちれば加速し速度が上がればブレーキがかかります。

抑速

切位置にした状態で定速/抑速ボタンを押すと抑速となり、下り坂で速度が上がらなくなります。

定速と違うのは速度が下がっても加速しないところです。

ノッチオフ、フルノッチ

こちらは普段からおこなうノッチ扱いです。

力行から切位置にすることをノッチオフ、5ノッチで力行することをフルノッチと言います。

あとがき

今回は少しマニアックなノッチの扱い方の種類についてお話ししました。

電車の運転士は必要に応じてノッチを使い分けていることがお分かりいただけたと思います。

ほかにも疑問に思うことや知りたいことがありましたらお気軽にコメントください。